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親父殿との2大ネタ話 [2018近況]

 [ BGM:【オルゴール】GReeeeN ♪ 遥か

厳しい方だと伺っていた。
風貌も田中角栄に似ていた。
緊張せずにはいられない。


その日、青年がとある家へ行くと、
その方は庭先で下着姿で水撒きをしていた。
「こんにちは、お邪魔します」
「はい、・・・」
素っ気なく、目を合わせず、
軽く会釈を返すのみ。
のっけからこれだ。
緊張感がさらに募り、胃が痛い。

通された居間で正座して待つ。
何事も未熟な青年には、
暑さも忘れ、目の前は真っ暗闇、
かつ無音で、非常に長い時間だ。

しばらくして、
「いやいや、お待たせしました」
顔を上げると、何と背広姿だ。
「・・・!」
きちんと正装し登場は、
さらに精神へ追い打ちをかける。
やはりただ者ではない。

着座しても、
視線はうつむき加減で無言のまま。
この威圧感に押しつぶされそうだ。
やはり自分からか。
青年は意を決して勇気を振り絞る。

「本日、急にお伺いしましたのは・・・」
自分から押しかける訪問理由を述べる。
(ま、当たり前のことだが )

「ん、で?」
「・・・なので、・・・です」
「うん、で?」
「・・・なので、・・・と思います」
「ん、で?」

自分は何も言わず、
頷きつつ、「で、で」と先を促すのみ。
この繰り返しで延々と喋らされる。
青年は汗が噴き出し、喉が渇く。
「ん、で?」
言葉使いはどうか、
意図は伝わっているのか、
さらに胃が痛い時間が続く。

「・・・ということで、
 ご返答は後日で構いませんので、
 よろしくご検討のほど、
 お願い申しあげます」
敬語、これで良かったんだっけ?
「ん・・・、うん・・・、ん・・・」
言いたいことは何とか伝わっていたようだ。
長い長い時間であった。

そして次は、
たぶん短かったのだろうが、
永遠に長く感じた無言の間・・・。

やがて口を開く。
「わかりました。
 後日とのことだが、今、返事します」
それは審判の瞬間。

「実は、さる親戚筋から、
 おたくは非常に良い青年だと伺っている。
 こちらこそ、よろしくお願いしたい」

面接試験一発合格。
その瞬間、その方と青年=私は、
義父と娘婿の関係となった。

それはそれで安堵した瞬間であったが、
(今では予定調和ながら、
 お互い演じきったと笑い話だが )
その時に勧められたお茶とケーキ。
後にも先にも " 味の無い ” ケーキは、
まったく、この時のみの貴重な体験だ。

91.JPG

そして縁の出来た、その後に、
" おたくは非常に良い青年・・・” について。

あの日は弟と2人で稲わら運搬をしていたが、
とある所で軽トラが故障したのか、
突然に動かなくなった。
そこで自動車屋さんへ連絡をすべきと判断し、
私が軽トラの状況確認を行うので、
弟が目の前の家で、
電話を借りて連絡することに。
(当時は携帯電話普及前だ)
その電話を借りる時の丁寧な姿勢に、
好印象を持ったその家が、
実は " さる親戚筋 ” であったのだ。

ゆえに " 良い青年 ” とは・・・、
” 弟 ” のことだったのだ!

そのことを話すと・・・。
「・・・・・・(目が点)、
 なにぃ~!騙された!?」
「何言ってるんですか、
 勝手に勘違いしておいて。
 もう時効ですよ!」
「・・・・・・(目が点)、
 そうか、そうだな、あっはっは!」
「ハハハハハ!」


以上、義父との2大ネタ話。
もう、30年近く前のことになろうか。

93.JPG

そんな義父は、
9/19(水)13時過ぎに、
93歳の長き生涯を閉じた。
最期は静かに眠るが如く・・・
・・・大往生とはこのようなことか。

責任感が強く実直、勤勉な性格で、
風貌も田中角栄似なれば、
近寄りがたい存在と思われたが、
私には優しく、温かく接してくれて、
可愛がっていただき、様々に教えを受けた。

親父殿、長きに渡る人生、お疲れさまでした。
親父殿、本当にありがとうございました。

後の事は、残されたお袋殿のことも、
精一杯の尽力をさせていただきます。
安心しておやすみ下さい。
悲嘆に暮れますが、
このような死生観で乗り切ります。

今はただただ、ご冥福を祈るのみ。


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