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『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』 [-2020本(思想・啓蒙)]

「この工場が死んだら、日本の出版は終わる……」
絶望的状況から、奇跡の復興を果たした職人たちの知られざる闘い

「8号(出版用紙を製造する巨大マシン)が止まるときは、この国の出版が倒れる時です」
――2011年3月11日、
宮城県石巻市の日本製紙石巻工場は津波に呑みこまれ、完全に機能停止した。
製紙工場には「何があっても絶対に紙を供給し続ける」という出版社との約束がある。
しかし状況は、従業員の誰もが「工場は死んだ」と口にするほど絶望的だった。
にもかかわらず、工場長は半年での復興を宣言。
その日から、従業員たちの闘いが始まった。
食料を入手するのも容易ではなく、
電気もガスも水道も復旧していない状態での作業は、困難を極めた。
東京の本社営業部と石巻工場の間の意見の対立さえ生まれた。
だが、従業員はみな、工場のため、石巻のため、
そして、出版社と本を待つ読者のために力を尽くした。
震災の絶望から、工場の復興までを徹底取材した傑作ノンフィクション

[Amazon 商品内容紹介より抜粋]

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読書好きな私は本の「紙」自体を強く意識したことはないが、
本書により、当たり前のありがたさに改めて感謝の念を強くしてしまった。

工場の復旧のための決断プロセス等のビジネス教訓のみではなく、
震災時の工場周囲も含めた生々しい被災状況、
その直後の混乱等のドキュメントが半分で、
決して綺麗事だけではない、人間の醜さ等もありありと描かれている。

いくらデジタルが発達しようとも紙媒体は無くならん。
当社も含めた製紙工場さん、今後も我らの生活を支えて下され!

しかし、『コロコロコミック』等の製紙技術は凄いものとのこと。
小さい子どもがめくりやすく、指を傷つけることなく、
適度な厚みをもたせつつ、全体の軽量化も実現させる等・・・。
う~む、元製造企業技術者の血が燃えるかも (^^)


紙つなげ!  彼らが本の紙を造っている

紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている

  • 作者: 佐々 涼子
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/06/20
  • メディア: 単行本


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