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『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』 [-2020本(思想・啓蒙)]

う~む。

判ったような気になるが、その複雑な中東の歴史と政治情勢には本当の理解は及ばないだろうが、イスラム国とは私の従来の印象とは全く異なる勢力である、くらいは・・・ネ(^_-)
平和なこの国で生きていると想像力も乏しくなるか。
そもそも「国」とは何だ?
自分の属する「日本国」を説明できるか?・・・などとも考えてしまう。

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はじめに  中東の地図を塗り替える
欧米の多くの専門家は「イスラム国」をタリバンと同じ時代錯誤の組織だと考えている。しかし、それは違う。彼らは、グローバル化し多極化した世界を熟知し、大国の限界を驚くべきほど明確に理解している

序章 「決算報告書」を持つテロ組織
冷戦下のテロ組織は、PLOにしてもIRAにしても、狭い領域内で正規軍に対して戦いを挑んだ。イスラム国の決定的な違いは、群雄割拠する国際情勢の間隙をついて、広大な地域を支配下においた点だ

第1章 誰が「イスラム国」を始めたのか?
「イスラム国」の起源は、ビンラディンに反旗を翻したザルカウィに始まる。「遠い敵」アメリカではなくシーア派を攻撃するその路線は、バグダッド大学でイスラム神学の学位をとった一人の知識人にうけつがれる

第2章 中東バトルロワイヤル
米ソという超大国にいきつく冷戦期の代理戦争と違い、今日の代理戦争は多岐にわたるスポンサー国家が存在する。そうした多頭型代理戦争の間隙をついたのが「イスラム国」だ。いち早く経済的自立を達成し、優位にたった

第3章 イスラエル建国と何が違うのか?
イギリス、フランスの手によって引かれた中東の国境線を消し、新しいカリフ制国家を樹立する。そうとなえる「イスラム国」は、ユダヤ人がイスラエルを建国したのと同じ文脈にあるのだろうか?

第4章 スーパーテロリストの捏造
イラクのサダム・フセインとアルカイダをつなげるために、欧米によってザルカウィの神話がでっちあげられた。十年後、後継者のバグダディは、ソシアルネットワークの力でカリフ制国家の神話を欧米の若者に信じ込ませる

第5章 建国というジハード
「イスラム国」は、カリフ制国家の建国というまったく新しい概念をジハードに持ち込んだ。それは、アメリカという遠い敵に第二戦線を開いたアルカイダ、腐敗と独裁の中東諸国の権威を一気に色あせさせたのだ

第6章 もともとは近代化をめざす思想だった
「イスラム国」がよりどころにしているサラフィー主義はもともとは、オスマン帝国の後進性から近代化をめざす思想だった。それが欧米の植民地政策によって変質する。「神こそが力の源泉である」

第7章 モンゴルに侵略された歴史を利用する
一二五八年、バグダッドは、モンゴル人とタルタル人の連合軍によって徹底的に破壊された。当時連合軍を手引きしたのはシーア派の高官。21世紀、欧米と手を組むシーア派というロジックでこの歴史を徹底利用する

第8章 国家たらんとする意志
グローバル化と貧困化は、世界のあちこちで武装集団が跋扈する無政府状態を生み出した。しかしこれらの武装集団と「イスラム国」を分けるのは、「イスラム国」が明確に国家たらんとする意志をもっていることだ

終章 「アラブの春」の失敗と「イスラム国」の成功
ツイッターによるイランの「緑の革命」、フェイスブックによる「アラブの春」、ユーチューブによる「ウォール街を占拠せよ」そして香港の「雨傘革命」。これら社会変革の試みが必ずしも成功しなかった理由は何か?

解説 「過激テロ国家」という認識の思い込みの修正を迫る本 池上彰


イスラム国 テロリストが国家をつくる時

イスラム国 テロリストが国家をつくる時

  • 作者: ロレッタ ナポリオーニ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/01/07
  • メディア: 単行本


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