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『つや姫-10万分の1の米』・・・悲願の誕生物語 [-2020本(農業)]

米どころ山形県の現主力品種「はえぬき」は1992年の登場以来、
新潟県のコシヒカリと並び、連続「特A」受賞と非常に美味しい米なのだが、
ブランド化戦略のまずさで全国的知名度が低く残念な現状だ。

そんな中で県が10年の歳月をかけて生み出した期待の新品種が「つや姫」だ。
一番の特徴はその美味さで、「粒が揃っている」、「艶がある」、「甘みがある」、
「うま味がある」などのコメントと、これまた「特A」の評価を得ている。
全て特別栽培米として安全な高品質での生産を義務づけられていることも特徴だ。
生産者視点では耐暑特性に優れ、耐倒伏性にも強いことなども挙げられる。

「つや姫」というネーミングを個人的に気に入っている。
一般公募で最後は「山形97号」と一騎打ちで争ったらしいが、
当選のわずか10日前後の吉村美栄子知事の決断で「つや姫」と決定した。
つやつやな外観で美味しい米、大事に育てられた、まさに姫を連想させ、
その米の特徴をうまく表現している。

吉村知事はブランド化戦略でも自ら先頭で、
東京のデパートの売り場などに立ちPRを行っている熱の入れようで、
自身が主婦であることと、消費者目線を大事にしていることで、
従来の男性では無かった感覚で物事を進めておられるようで頼もしい。

そんな「つや姫」の誕生物語が本書で、女性作家ゆえか、
表現も繊細で柔らかくて読みやすい文体なので、「読む」愉しさ自体も存分に味わえる。
それらと相まって読後は非常に明るい気持ちにさせられた。

『つや姫-10万分の1の米』    五十嵐 佳子 著     角川学芸出版

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この知事自ら出演のポスターが非常に評判らしく一時期話題になった。
ロゴデザインもモダンなさわやかイメージで好いかも。

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登場3年目で我が家も今年から作付けする。
よいモノを作るので高く売れれば嬉しい。

ところで寒冷地特性に優れているだろう、兄弟品種の「山形95号」はどうなった?
山間で寒い我が町では、本当はこちらに期待したいのだが、爪弾きかな・・・(泣)

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