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8/3豪雨(1)・・・飯豊町ビバーク&帰郷の考察 [2022近況]

その日8/3は4号が東京から帰省で、
強い雨の中、お迎えの米沢駅へ向かうが、
予想通り山形新幹線は雨のため、
福島駅止まりとのことで福島駅まで。
(次図は8/3_13:00頃)

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雨のため福島駅も混乱しているようで、
17時半過ぎに2人でやって来た。
長井高陸上部の同輩で、
長井市伊佐沢地区出身とのこと。
卒業後も仲良きやヨシ。

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東北中央道で長大9kmの栗子トンネルを抜け、
再び山形県の置賜盆地へ入ると、
バケツをひっくり返したかのような、
凄い雨量でクルマのワイパーも忙しく、
対面通行のセンターポールも見えにくい。
空は真っ暗で稲妻ビカビカは怖いほど。
スマホのアラームが鳴りまくる中で、
南陽高畠ICから高規格R113で西進だ。
(次図は8/3_18:30頃)

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・・・それは新潟から置賜へかけて、
線状降水帯が発生したとのこと!
警戒レベルは最高危険度の5 (゚o゚;

友達を当初は伊佐沢地区の家まで、
送る予定であったが、
雨で道路が危険とのことで、
置賜総合病院近くのローソンで待ち合わせ、
親御さんへ引き渡す。
その乗継ぎの間も雨は酷く、
瞬時にビショ濡れだ (>o<);;;
「今後も4号と仲良くしてな!
 よろしく~また会おう (^^)/ 」

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さて、ここからR113で、
約30km≒30分で我が家だが、
今泉の米坂線等の跨線橋を越えて、
下った直ぐのローソン前で、
泥水が道路に流出しているではないか!
よくTVニュースで見る、
ジャババババ!と愛車は突撃 (@@;)
その流量と暗さで道路左際が判らない!
誤って側溝等へ落ちれば大変だ。

で200m?か、程なく越えて収まったが、
その先小山の飯豊工業団地のGS前でも、
同じように冠水しているではないか!
こんな高台でも・・・(@@;)
しかし4WDの安心感よ。

そして、すがい肉店交差点から、
添川バイパスを100mも進むと、
警察官に停止させられる。
「この先も冠水していて、
 クルマ2台が、のみ込まれていて、
 通行止めとするので引き返して下さい」

sikei650.jpg

えっ!
あの冠水の中へ引き返せ?
どこへ行けと・・・?(@@;)
・・・そうだ、しらさぎ荘へ行ってみよう。
軽い冠水を突撃し、程なく到着し、
宿泊可能かフロントへ確認すると、
既に他者で埋まっていて不可とのこと。

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仕方なくクルマへ戻るとラジオは、
「これまでにない・・・
 ・・・迫っています・・・
 ・・・行動をとって下さい」
と相変わらずのオウム返しだ。

で次の宿泊先として、
近く(萩生地区)の弟宅へ電話するが通じない。
きっと同じく混乱しているのかも (__;)

次にyumeoさんへ電話すると直ぐ通じて、
家には被害は無いとのことで、
宿泊をお願いすると快諾してくれた。

その椿地区へは約2kmと近いが、
さてクルマで旧R113を、
50mも行くと消防団員に止められる。
「この先、冠水していて通行不可能です。
 ・・・白川の向こうですか、
 情報では、あーす(交流センター)
 の辺りも水浸しとか・・・」

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戻って、いちおう飯豊橋方面の、
添川小学校前を100mも行くと、
やはり冠水している!
先行車があれば付いてゆくが、
単独走では怖い (@@;)

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で引返し、次は何となく旧R113を東へ向かうと、
同じく200mで冠水にぶつかる。
やはり単独走は怖い (@@;)

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まさに八方塞がり!

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そんな混乱のさなかにラジオは、
変わらずのアナウンスを繰り返しているが、
ふと、急に耳に入ってきた!

「これまでに経験したことのないような大雨で、
 危険が迫っています!
 ただちに命を守る行動をとって下さい!」

・・・ハッ (゚o゚;
急に我に返ったかも。
命の危険!?
と同時に以前読んだ本を思い出す。
人は『自分だけは死なない』、
『でもまさか今日だったとは』、
とバイアスに押さえ込まれていることを。

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ピーンときた。
あ、もしかして今か?

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とたんに冷静になったかも。
何をやっているのだ、私は (--#)
(論語読みの論語知らずでは情けない)
隣の大事な宝物を失ってなるものか!

そこで、まず小国へ帰ることを諦める。
知り合い宅へも向かわない。
むやみに動かない方が良い。
安全な場所で待機すべきだ。
ではどこが?
・・・む、このしらさぎ荘駐車場が良いかも。
冠水しにくいようだし、
いざとなれば、しらさぎ荘の2階へも期待出来る。
トイレもあり、モノも売っている。
ガソリンは福島市で給油したのでOK。
趣味のランニング用品や温泉用品も、
常時積載でタオルや着替え類も豊富だ。
車中泊は慣れているし、
暖かい時期なればハードルは低い (--#)v


そうと決めれば、
随分とココロの余裕度が増えたかも。
yumeoさんへビバークを報告し、
弟とも連絡が取れたので互いの近況を。
そしてSNSで「今、遭難中~」と発信。

さて食料はたくさんある。
実は帰郷夕食で買ったお寿司などと、
先の友人親御さんよりいただいた菓子パン類等と。
(これが非常にありがたかった!)
ただ水分は少ないので、
しらさぎ荘で数本を買い求める。
これで明日までは十分すぎるほどだ。

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ネットとTVで状況が次第に明らかになってくる。
半世紀前の羽越水害並みか?
→ 昭和42年(1967)「羽越水害」(山形県小国町HP)

そんなところで友人より、
町内中心部の小国大橋の様子が届いた。
げぇー!まさに羽越水害 (゚o゚;

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その横川脇の我が家の牛舎は、
田んぼは大丈夫か?
2号へ確認すると牛舎は大丈夫なようだが、
今後も不安でクラクラする・・・(@@;)

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先のSNSを見た方々からか、
続々と情報が入る。
これが荒川の沖庭橋!(O_O)

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工事の足場が崩壊している金目川の若山橋!

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・・・今後どうなるのだ!?(@@;)
さらに大いなる不安に駆られるが、
今はどうしようもない、と割り切り、
寿司を食べて、とりあえず眠る (-_-)゚zzz…
あの時のような怪獣イビキで・・・。

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窮屈な姿勢なので熟睡出来ず、
習慣も重なり5時頃に目が覚める。
昨夜は満車だった駐車場は、
続々とクルマが動き出して、
6時頃には、ほぼスカスカと。
救急車もサイレンと共に行き交っている。

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そんな頃にR113の崩落している画像が届いた。
これは宇津峠手前ではないか!(O_O)

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TVニュースでも続々と取り上げられている。
いつも長井市等への往来に使う、
飯豊町小白川地区の、あの橋(大巻橋)が落ちた!?
1台クルマが巻き込まれて流されたそうだが、
時と場合によっては私も遭遇したかも・・・(@@;)

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その下流、ほぼ隣の米坂線の小白川橋梁も!
何れも近くの、わずか数km先のことだ (゚o゚;

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で2号より連絡が入り牛舎は大丈夫とのこと。
そして家内からは田んぼの画像が送られてきた。
羽越水害の時に冠水が始まった場所だが、
この画像の限りでは大丈夫そうで安堵だ。

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周囲にクルマが居なくなったは、
冠水は引き、道路は通れるのだろう。
なので、とりあえず道の駅へ向かう。


昨夜不通の旧R113は、
冠水の跡の流木やガスモクが、
道路脇や水路、田んぼに散見されるが、
酷いのは、ほんの短い区間のようだ。

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道の駅でも驚いた!(゚o゚;
土砂が流入しているではないか!

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背後の山からか・・・。

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断水しているようでトイレも機能は半分だ。
ビッグ不可なれば役に立たない (T^T)

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ここに来て、なぜかスマホがネットへ接続し難い
(電波障害か?)ので情報が欲しい。

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その道路情報コーナーも、旬な、
最も知りたいことは表示されず (--#)ヤクタタネー

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TVクルーが居たのでインタビューされたい。
「ええ、そうなんです、実は・・・」
周囲をウロチョロしたが空振り・・・(ノД`);;;

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併設の開業間もないローソンも、
店内へ浸水で営業中止と。

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さて、ここに居ても埒があかないので、
R113を小国方面へ向かってみることに。
手ノ子地区の信号を過ぎて、
坂を登りきる手前で停車させられた。
「この先、崩落しているので、
 何とか昼頃には片側交互通行を、
 可能なように努力するつもりです」

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「・・・ああ、九才峠は、
 現在は両側のゲートが、
 閉められているようです」

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仕方なく再び道の駅へ引返す。

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今日も南側に雨予報なれば、
九才峠はなおさらに通行規制か。
恨めしい天候は終わらない・・・(×_×)

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が、ここでアクティブ派らしく閃いた!
新潟県側の関川村からならば、
越後金丸駅前は冠水のみで崩落は無いようなので、
程なく水も引こうで、早い開通が見込まれるかも。
ならば、北側の山形道の月山周りか、
南側の磐越道の飯豊山周りで向かおうか?
300~350kmなんてチョロイので ヽ(゚Д゚)ノ

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そこで繋がりにくくイラつきつつも、
新潟県側の情報を集めると・・・!
→ 泥水に浸かる学校、住宅地…街一面が茶色に 道路は寸断、土砂崩れも(朝日新聞)

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げぇー! (O_O)
R7の坂町、いつものスーパー周囲が冠水!
R113も花立地区への隘路が土砂崩れ!
R290の桃川峠も土砂崩れ!
想像以上に酷い状況なので即座に却下 (×_×)

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そんな時に災害派遣の自衛隊が到着だ。

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いつも頼もしい。
今回もよろしくお願いします <(_ _)>

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そこで悶々と時間を過ごすと、
ふと小国側へのクルマが多いように見える=
=想像以上に早く開通したのか!?
再び先ほどの地点まで行ってみる。
「復旧工事ですが、
 さらに奥でも崩落したので、
 正午はおろか、
 現在通行の見込みはありません」

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ガーン!(×_×)
再び彷徨うことに。
今日こそ、弟宅へ宿泊かもで、
お願い連絡をしておく。
では夕食とお風呂は何処にしようか?
等々、腰の落ち着かない時間が延々と続く。
なので気晴らしに本を買いに行くことに。

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そんな時に突然、
自衛隊の友人より連絡が入った。
「県道8号が通行可能とのことです」
なぬっ!九才峠が越えられる?

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が今後の天候次第では、
閉鎖するかもしれないので急行せねば。
しかしそこで考える、待てよ (-_-)
陸の孤島へ向かうので、
物資不足は容易に想像できる。
→ 道途切れ、物消え 県内豪雨「小国一時孤立、疲労の色」(山形新聞)

そこで食料を買出すことにする。
野菜は自給でたくさんあるので、
肉、魚と、卵、豆腐、納豆の大三元、
カレー粉、レトルト製品、ラーメン等々、
・・・日頃からスーパーは慣れているので、
主夫よろしくテキパキと物色は早い。
実家分も合わせて3箱満杯の、
諭吉さん1.5人=15000円分!(--#)v

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さて、意気揚々といざ行かん。
手ノ子地区から高峰地区と標高を上げて、
白川湖を横目に既に泥んこの愛車は、
キビキビと爆走の咆哮を上げる。
やがてその中津川地区より町境の九才峠への、
クネクネと狭い道路をいよいよ上り始める。
ホンダのスポーツ車が付いてくる。
「ん、ともに帰郷しようぞ!」

・・・とそこで友人のX議員より電話だ。
「九才峠通れるようですよ。
 あっ、いま走ってますか、
 判りました、気をつけて下さい!」
みんなお気遣い、ありがとう <(_ _)>


さて、ここは隘路も多いので、
坂道でも後進、幅寄せのスキルが無いと、
すれ違えず厳しく、誰にでも通れる道では無い。
で、程なくの境で『小国町』の看板に感無量!
「ここまで凄く長かった・・・。゚(゚´Д`゚)゚。
 健脚親子は足でも走れる、たった20kmが!」

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やはり水や土砂は出ている箇所があるが、
日頃から年2回程度は、
何となく走っている=
=道の様子が判るので問題は無い。

やがて17時前に懐かしの生息域へ生還し、
まず実家へ食料を届け、
ご先祖様へ線香をあげる。
「無事に4号と帰郷出来ました。
 今日も見守って下さり、
 ありがとうございました」

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泥んこ汚れの愛車よ、
本当にありがとう、助かったよ (^^)/

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お疲れさまの祝杯の最中にも電話が多い。
親戚、知り合い、友人等から。
「お前の田んぼ凄いことになってるぞ」
近所の先輩農家からには萎える (×_×)

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以前3.11東日本大震災の時は、
1号と秋田市にて非日常を経験した。
→ 一夜の都市停電を体験して

今回はそれに次ぐ体験だったかも。
(何れも大事な子ども同伴とは・・・)

しかし帰宅した今、
冷静に振り返ると非常に怖い。
危険な区域に身を置いてしまった、
そこに自ら進んで行ったことに。

また同時に思う。
もし添川バイパスを通れて、
宇津峠へ至ったときに、
崩落に遭ったら?
可能性は無きにしも非ず。

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なので最適解は、
安全な「福島市に泊まる」だったかも。
その判断が出来なかった理由を分析し、
次回の糧となれば良いのだが (-_-)

しかし結果的に、
しらさぎ荘ビバークは悪くなかったとも思える。
これは神様仏様、ご先祖様の導きか。
やはり感謝に手を合わせなくては。

また地域の消防団員、消防署員、
警察官、自衛隊員、土建業者さん等、
同じく感謝申し上げます <(_ _)>

さて翌日は田んぼ等の確認巡回だ。
嫌な予感がプンプン漂うが、
まずは今夜は足を伸ばしてゆっくりと眠ろう。
その幸せを噛みしめて・・・(-_-)゚zzz…

つづく


PS.
R113開通状況
下り=新潟県関川村方面 8/5_ 未明3時頃
上り=飯豊町方面 8/5_ 24時=8/6_ 0時(片側交互通行)
・・・土建業者さんに深謝 <(_ _)> 


新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている

新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている

  • 作者: 山村 武彦
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2015/04/03
  • メディア: 単行本



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